2000年 7月号
☆ 特 集 ☆
・アラスカ船旅紀行
「船の上のギタリストは何故
船を降りたのか?
・氷河! オンザロックにして
飲みたくなる、その神秘性!

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きりきりぶらうん内S・F・C事務局

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海の上のギタリスト
 まずは恐らく行く事のないアラスカへ行って来ました。北村英治(cl)氏と共に宇多慶記(org)を加えての3人旅を今月は皆様に紹介したいと思います。 
ジュノーの街並
成田からシアトルまで行き、尾翼にエスキモーの顔が書いてある、アラスカ航空に乗り換える。(いやだ!こんな飛行機乗りたくない!)と思っても、仕方がなかった。2時間ちょっとのフライトで、アラスカの州都、ジュノーに到着。タクシーでホテルに向かった。リアス式海岸の、天然の良港に恵まれた、まるで川と間違えてしまう海を有する街ジュノー。どうだろう、人口にして1万人くらいかな、実に小ぢんまりとした可愛いい街であった。1,000m級の山が港のすぐそばまで迫り、雪解けの水が2つの細い滝となって流れ落ちている。本当に美しい街だ。1時間もあれば全て巡れてしまうほどのジュノーだけど、旧ソビエトだったので、おみやげ店には、ロシアの帽子や民芸品も並ぶ。またアラスカサーモンの加工した食品も目についた。
アラスカの名物料理に舌鼓を打つ。
 この日の夕食は宿泊先のホテルのレストラン「ゴールド・ルーム」。仰々しい名の由来は、恐らく、このあたり、金が採掘され、ゴールドラッシュ時代が長く続いた歴史に端を発しているものと想像はつく。港の街なので、やっぱりシーフード。前菜にと、生カキからスタート。蟹の身を寄せて固めて焼いたクラブケーキ大平目(オヒョウ)のグリルプライムリブステーキ、珍しいところではCaribou、つまり、トナカイのソテー、さすがにタクシーの運転手が言った通り、ジュノーNo.1のレストラン。この美味な料理にプラスして、地ビールのアラスカンがまたいい。水がいいのだろうきっと。ごめんねいつも食べ物の話ばっかりになってハハ。北村さん、ごちそー様でした。
 部屋に帰って外を見ていて、ふと気が付いた。時計の針は夜11時を過ぎているのに(もちろん現地時間)暗くならない。そう「白夜」である。「白夜」と言えば、吉岡秀晃の郷里、宮崎県延岡市にあった可愛いお姉さんがいたスナックと同じ名である。それはともかくとして、ようやく暗くなったと思ったら午前2時半頃から夜は白々と明け始める。太陽さん大活躍。夜の負け、ってな感じ。
翌日船に乗り込む。そうだ!僕らはここへメシを食いに来たのではないのだ。「日本丸世界一周クルーズ」の最終航程、アラスカ〜日本、の船の中で演奏するのぢゃ。日本丸は2万トンを超す大型客船で、船内にはレストラン、数ヵ所のバー、大浴場からカジノ、カードルーム、ブティックやランドリー、シアターまで、ありとあらゆる施設が整っていて、生活に不自由しない。船客は、ほとんどがリタイアした御夫婦。世界一周、全航程100日を乗ると、カルーく1人1,000万円を越す。それでも自分で移動する事なく、船が自分の部屋ごと世界中を連れて行ってくれる訳だから、お金持ちの老夫婦には人気が高いらしい。加えて、毎日様々なイベント、例えばそれが「北村英治トリオ」の演奏であったり、クラシックだったり、落語だったり、ソシアルダンスから、英会話教室、フィットネスから水墨画教室まであれば、長い船旅にも「飽きる」という言葉はないようだ。
アメリカ一の氷河「ハーバード氷河」を
船上から望む
 船は氷河探検に行った。流氷の中を進み、映画「タイタニック」を思い浮かべる巨大な氷河が眼前に迫り、何万匹もの鮭の群れが海面をジャンプする。こんな体験は、まず出来ないと思った。ステージは12日間のうち、3回、ミーツ熱田修二このC.Dジャケットになる絵を書いたり、カードルームで麻雀に誘われてプレイしたり(この麻雀なんだけど、こんなにリッチな人達って、一体どのくらい高額を賭けてやってるのか、と思いきや、一銭も金賭けてないのだ)時間は19ノットで、ゆっくりと、ゆっくりと流れていった。 船長のアナウンスで「皆さん、日本丸は只今鯨の大群のド真中に入りました」と言えば船客はデッキに出て大はしゃぎ。「ラッコが」「アラザシが」の度にそうなるのだ。
 演奏もとても評判が良く、かくして12日間のアラスカ〜日本のクルージングは無事終了し、6月23日(金)午前10時、晴見埠頭で盛大な「おかえりなさい日本丸!100日間世界一周」の横断幕とブラスバンドの演奏に迎えられれば、僕もつい、まるで皆んなと一緒に世界一周してきたような顔になって帰国。想像以上に充実した、また貴重な体験が出来て本当に嬉しかった。北村さん!また次回も僕を連れてってね。あ、トナカイの肉はもういいね。

編集後記
どうでしたか?アラスカ紀行。僕の部屋は3人部屋を1人で使ってたから、そこらのビジネスホテルより、よっぽど広くて、シャワー、トイレ、冷蔵庫やテレビまで備っていて快適でした。食事はスタッフと一緒。とは言っても、朝、昼、夕食の他に、夜食も付いていて、毎日工夫された和食が中心。とても美味しい。でも船の中はとかく運動不足になりがちだから、1日4食も食べてると太る。それで1日2食にしたものの、
結局1キロ以上太ったみたい。バーは航行中免税だったのも嬉しかったゾ。
日本丸は東京の後、神戸まで行く。客に「神戸にお住まいですか?」と尋ねたら「いいえ、芦屋です」。 また、「私はね、生まれも育ちも銀座なの」と言えば、「あらっ?奇遇ね、私もよ、2丁目」だって。僕が耳にはさんだ船客の会話である。どーなってんのこの船。お金、あるところにはあるのね。
でも僕は生活する金さえあれば、ギターが弾けて、最高の幸せなんだ!ちょっと負けおしみ入ってた?ん?