| 6時半の入場開始時間になり、エレベーターから次々とお客さんが会場へ姿を見せました。
お洒落な生演奏がすでに始まっています。
パーティによりゴージャスさを付加するとすれば、
『Welcome Music』は気の利いた演出だと思いました。
ギターとピアノのデュオは音量的にも視覚的にもパーティに向いた編成です。
昆真樹(g)は僕のビデオ「ウェス・モンゴメリー奏法」やDVD「ジャズギター・道場」を発売している、リットーミュージック社の名プロデューサーでした。
現在は退社して僕のギター道場の「師範代」として教鞭をとっています。
そのような経歴のため、ギターの色々な奏法や情報を誰よりも熟知しています。
渡邉祐美子(p)は現在東京学芸大学在学中で、ジャズ研に所属してピアノを弾いていますが、「きりきりぶらうん」のスタッフでもあり、店では自分のバンドで出演して、ウィントン・ケリーばりのスイングする演奏で人気を博しています。
お客様は本番が始まる直前まで彼らのデュオ演奏でくつろいでいらっしゃいます。
7時5分前になり、いよいよオープニングです。
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| 司会を務めるアンソニー桑原さんと大野めぐみさん |
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自発奉仕で席案内係りとチケットもぎりをしてくれた
右から菅野昌子さん、上原‘マモ’裕子さん、
そしてスモーキンの母、熊澤愛子さん。 |
名古屋から参加してくれた古込さんと水島さん。
壁際には懐かしい高橋さんとAT100さんの姿も・・ |
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| 父と母、そして弟です。 |
スモーキンの「顔」、吉岡秀晃(p) |
アンソニーさんと大野めぐみによる、タモリと黒柳徹子に扮した、
ちっとも似ていない?絶妙な司会からスタートし、
会場をすでにリラックスムードにしてくれています。
ステージの構成は以下の通りです
1部 SMOKIN’
2部 SMOKIN’+ゲスト
3部 ゲスト演奏の後、伊藤実千代イリュージョン・バンド
さていよいよ本番の開始です。
SMOKIN’(吉岡秀晃p、稲垣護b、太田耕平ds)の気心知れたメンバーでスタートです。
何しろ『ギタープレイ40周年コンサート』ですから、
普段ではあまり演奏しない、これまでに発表したオリジナル曲ばかりを選びました。
先ずはキング・レコードからメジャー・デビューとなったLP『SONG FOR WES』の中から、そのタイトル・ソング《SONG FOR WES》でスタートです。
このデビュー作は、今は亡き天才ドラマー、PHILLY・JOE・JONESが参加しています。
この曲はWESの名作「4on6」のコードチェンジを題材に書いた作品です。
ですから当然の事ながら最初から急ピッチで飛ばしました。
2曲目はラテン・テイストの曲で、同じくキング・レコードの第二作『MELLOW AROUND』に挿入されている《CHECK IT OUT!》という曲です。
レア物のレコードですから、このLPをお持ちの方は相当マニアでしょう。
この曲のモチーフはWESの《ROAD SONG》です。
ですから演奏をしていると必然的に熱くなってしまいました。
3曲目は「ライブで演奏して欲しい曲」のアンケートで堂々一位のバラード、お馴染み《SUNSET
STREET》です。1988年に東芝EMIから発売になったCD『FOXY EYES』からの選曲です。
贅沢にも名手、吉岡秀晃に終始バッキングに徹してもらって、気持ちよく弾きっ放しました。僕が一番気持ちよく演奏できるピアニストは吉岡秀晃を置いて他にはいない・・といつも思います。
4曲め、つまり1部最後には僕が初の海外録音をした『L.A
.CONNECTION』(キング・レコード)の中から最もスリリングな《2nd
TAKE OFF》を選びました。
この作品は、プロデュースも引き受けてくれた、世界最高のベース奏者、ANDY
SIMPKINSの強力な演奏がしっかりと収められています。でも彼はこの作品の数年後に癌で亡くなってしまいました。長年の交友を培ってきただけに、とりわけ思い出深い作品です。
SMOKIN’のオハコの、息を呑む暇もない急速調のテンポで演奏し、1部は大喝采のうちに終了となり、休憩時間です。
また昆・渡邉のデュオの演奏のスタートです。
六本木『サテンドール』はかつて「俳優座」のあるビルの2階にあった頃、SMOKIN’はレギュラー出演していましたが、また最近になって定期的に演奏を依頼されるようになりました。
とても料理が美味しく、従業員の感じもお店の雰囲気も良いのでここをお店を選びました。
休憩時間には気の利いた酒のつまみと食事が大きなテーブルに結婚式と見間違うほど豪華にセットされていました。
お客様は並んで料理を取り分け、自分のテーブルに運んでいます。
料理も好評で、どうやら大正解だったようです。
2部は二人の管楽器の名手、岡淳(ts,fl)と山田穣(as)をゲストに迎え、
SMOKIN’のサウンドに、より趣を加えました。
演奏するのはやはり僕のオリジナル曲です。
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山田穣(as)が加わり
《FROM GOA WITH LOVE》を熱演。
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岡淳(ts)は低音を生かした
ファンキーなソロを繰り広げた。 |
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| 2管を加えてオリジナルから《EQUANIMITY》。厚くゴージャスなサウンドだ。 |
1曲目は山田穣(as)をフィーチュアしての《FROM
GOA WITH LOVE》。CD『スモーキン』に入っている曲です。1988年、二年に一度インドで行われるジャズ・フェスティバル『JAZZ
YATORA』に僕のSMOKIN’が招聘され、ニューデリー、ボンベイ、バンガロール、ゴアと、インド国中を巡りました。
中でもとりわけゴアはアラビア海に面したリゾート地で、思い出深い土地でした。
その印象を綴った軽快な曲です。
山田のはその風貌からは想像が難しいほどアグレッシブに演奏しました。
最近の彼の演奏スタイルは以前のような、ややもすると「軟派」な印象からずいぶん変わってきたように思えます。
2曲目には岡淳(ts)をフィーチュアして《HOT
RIVER》。
ずばり直訳で「熱い川」。
そうです、伊豆の熱川温泉に行った時に作った曲です。(笑)
1981年、コロンビア・レコードから発売になったLP『RIVIERA』に収録されています。
岡淳はSMOKIN’がプロ・デビューで、一橋大学在学中からしばしば飛び入りで演奏に参加していました。
そういった意味でも、40周年記念には欠かせない存在です。
この曲は彼の持ち味である太いテナーの魅力が充満した演奏になりました。
2部の最後は彼らの2管を加えて、最も新しいオリジナル曲、《EQUANIMITY》。
「イクアニミティ」と発音し、直訳すると「心の平静、落ち着き」と言う意味。
いつも平常心でいたい、という願望を込めて作曲しました。
この曲は出来て間もないのでCD等で聴くことは出来ません、聴くことが出来るのは今のところライブだけです。
2管ならではの重厚なアレンジを施し、スピード感溢れる演奏に終始しました。
この日、私たちの演奏を隅々まで捉えるべく、4台のカメラが回っていました。
実はここまでの演奏をDVDにしようとする動きが水面下でひろがっていたのです。
はたして実現するかどうかは、演奏と画像の「出来」を確認しないと何とも言えませんが・・・
また短い休憩を挟んで、3部のスタートです。
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大野めぐみはCD『INSPIRATION』の中からの
2曲を熱唱した。 |
ロックギターの雄、法田勇虫の登場 |
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| ジャズvsロックギターの対決! |
お待ちかね、伊藤実千代登場。 |
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ダンシング・コーラス隊も加わり・・・
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都筑章浩のパーカッションも大きな見せ場を作る。 |
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ピアノが吉岡からラテンの名手、
岡田祥希にバトンタッチ。
本物のラテンの乗りになる。 |
ステージと客席とが一体になって乗り乗り!
お客さんも大満足! |
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ステージと客席とが一体になって乗り乗り!
お客さんも大満足! |
ステージと客席とが一体になって乗り乗り!
お客さんも大満足! |
先ほどから司会を務めてくれている大野めぐみ(voc)がステージに立ちました。
山田穣(as)が加わり、彼女のデビューCD、『INSPIRATION』の収録メンバーが揃って伴奏をし、《SPEAK
LOW》と《MUSIC IN THE
AIR》を、聴きやすい素直な歌唱で聴衆を楽しませました。
自分のCD発売記念ライブとは違って普段よりリラックスした様子。
気分良さそうに歌っているのが印象的でした。
ここでいよいよ法田勇虫(g)の登場です。
彼はロックのカリスマ的ギタリストで、浜田省吾、鈴木雅之、久石 譲、などの多数国内アーティストのレコーディング、ステージをこなし、また多数の海外ミュージシャン、
(Dann Huff、Billy
Sheehan、Mike Portnoyなど)とのステージ・セッションを行ってきました。
何故ロックギタリストがここに・・・と思われるかもしれませんが、ジャズとロックの、それぞれ個性の違うギターの音色の対比を楽しんでもらうためです。
競演曲はマイルスの《ALL
BLUES》です。
演奏を始める前から法田勇虫のギターはウィ〜ンと「うなり声」を上げていました。
ロック・ギターのインパクトは凄いです。ジャズのように細かいことにこだわらない魅力があります。
「ギュィ〜〜〜ン!!」
演奏が始まったとたんに僕はぶっ飛んでしまいました。(笑)
しかも演奏が始まった直後、彼のギターは弦が切れていたそうです。
まさにカリスマ・・ですね〜。
以前アメリカ版「ゴジラ」の映画の予告で、博物館で案内人が巨大な恐竜の化石の復元を見学者に見せて説明していて、子供たちはその大きさに「ワォー!」と驚嘆しているけど、窓の外を見るとその恐竜のン十倍の大きさのゴジラが通り、みんな愕然としているシーンがあったのを思い出しました、ははは。
ステージには吉岡秀晃と交代したラテン・ピアノの名手、岡田祥希とオルケスタ・デラルスの名パーカッション、都筑章浩が登場。
岡淳、山田穣の2管に加えて先程ウェルカム・ミュージックでピアノを弾いてくれた渡邉祐美子、大野めぐみも登場。法田勇虫もとどまり、ほとんど全員がステージに上がりました。
お待たせいたしました!!おおとりの伊藤実千代(voc)の登場です。
一昨年僕のプロデュースしたCD『ILLUSION』が大評判を呼び、東京と横浜でライブを行って関東のファンを魅了した彼女でしたが、今年の春に「脳腫瘍」という病魔に襲われました。しかし持ち前の強靭な精神力を持って手術を無事成功させ、その「快気祝い」ともいえるコンサートになりました。
僕は考えました。「快気祝いだから、CDの収録メンバーの誰一人欠けてもならない」。
でも、これだけのメンバーのスケジュールを押さえるのはかなり大変でした。(笑)
1曲目は都筑のパーカッションと歌からいきなり入る『AQUA DE
BEBER』(美味しい水)です。
レコーディングの時にたまたま見学に来ていた大野めぐみと渡邉祐美子は、僕の命令でその時に急に「コーラス隊」をやらされました。
可哀想に、CDでは「不良中年コーラス隊」とクレジットされていますが・・(笑)
それではここでも同じようにコーラス、やってもらいましょうじゃあ〜りませんか!(爆)
またまた僕の命令で「振り付け」も加わり、音楽的要素だけでなく視覚的にも楽しめました。
実千代さんは歌う前に「お礼」を含めた挨拶をしていましたが、僕はこう見えても実は照れ屋で恥ずかしがり屋なので、「今は音楽監督の事で頭が一杯で聞いてない」というふりをしていました〜ごめんなさい。(笑)
まさに1曲目から客席とステージが一体となったのりのりの楽しい演奏です。
2曲めは実千代さん曰く「他のどんなアレンジよりもかっこいい」とお褒めをいただいた《LOVE
FOR SALE》。
そういえばこのCDのアレンジはほとんどウォーキングしながら考えたな〜と思い出しました。
(このアレンジは6拍子が入ったり、セロニアス・モンクの曲も引用してあるのです。)
実千代さんのフェイクを交えたジャージーな歌唱に絡む岡淳と山田穣の、共にスピードのあるスリリングなソロも際立っていました。
3曲目はジョビンの《ONCE
I LOVED》
出だしのピアノの導入部から、辛く切ない歌詞の雰囲気そのままのアレンジを施してあるので、実千代さんは特にこの曲に感情を込めて歌っていました。
まるで病気で落ち込んでいた時の辛かった事を思い出して歌っているかのようでした。
4曲目はポップスのナンバーから《FEEL LIKE MAKIN'
LOVE》
「はじめしっとり中パッパ、赤子泣いても蓋取るな」はご飯の炊き方だけど、このアレンジはまさにそんな感じです。
しっとり始まって途中から軽快なサンバになって、エンディングでは「赤子が起きて泣く」ほどのアップテンポのサンバになります。
このCDならではのアレンジを今回はライブで演奏しちゃうんですから凄いですね〜(笑)
途中の「中パッパ」のサンバのときの元気一杯のボーカルにキュイ〜〜ンと絡む法田ロック・ギター!!
これです!期待していたのはこのサウンドです。
僕はこのステージはほとんどギターは弾かず、もっぱら踊り?もとい、コーラス?もとい、指揮に専念。
ひたすら自分の監修した音に耳を傾けるだけで十分に満足していました。
何と言ってもこの曲のハイライトはエンディング、都筑章浩のパーカッション・ソロでしょう。
二本の腕から繰り広げられる信じられないほどのテクニックとスピード、加えて素晴らしいアイディアとセンスに聴衆はしばし固唾を呑んで聴き入っていました。
楽しいパーティもそろそろ終宴を迎えようとしています。
いよいよ最後の曲になりました。
もう一度大野めぐみと渡邉祐美子のコーラス隊も参加して実千代さん曰く「まあ好きなんだから」という「オバ・オバ・オバ」の歌詞でおなじみの《MAIS
QUE NADA》(マシュケナダ)で最後を飾ります。
最後の曲なので全員にソロを回しました。岡田祥希のピアノはラテンそのもの。
まるで水を得た魚のごとく鍵盤の上で指が踊っています。
「オバン。オバン・オバン!」とくればもちろん返される言葉は「オジン・オジン・オジン!」です。(爆)
横を見ると何とあの山田穣が笑顔で歌って踊っています。
この光景は普段の彼のライブの姿からは恐らく想像がつかないと思います。
それほど楽しいのです。
思わず客席を見渡すと、客席の全員が笑顔、笑顔、そして笑顔。。。
(パーティを企画してよかった)とつくづく感じた瞬間でした。
終わってみれば抱えきれないほどの大きな花束に埋もれ『ギタープレイ40周年記念パーティ』はかくして大盛況のうちに無事に終了しました。
北は青森、南は北九州からもこの日のためにわざわざいらしてくださったファンの方、
また自分の座る席を譲り、料理を食べる時間も削ってチケットや席案内係、
また花束の手配など、いつも自発的に奉仕してくださるファンクラブの皆様、
司会をしてくださったお二人と、ウェルカム・ミュージックで演出してくださったお二人にも、
またかなりの無理なお願いにも快く応じてくださったサテンドールのスタッフの皆様にもお礼を申し上げます。
ありがとうございました。
40周年記念パーティに寄せられたメッセージ
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